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icon KDDI Location Analyzerを用いたGPS位置情報分析例(第1回)
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■はじめに

最近、「オルタナティブデータ」という言葉が話題です。国勢調査や商業統計などの公的統計(トラディショナルデータ)と異なり、POSデータや会員カード情報、GPS位置情報データなど、比較的最近になって登場した非伝統的なデータのことです。例えば国勢調査の実施・公表は5年に1度ですが、一方これらのオルタナティブデータは高頻度で更新されるものがほとんど。直近のリアルな動きを確認できるという意味で、オルタナティブデータを活用している企業はますます増えています。

当社も様々なオルタナティブデータを提供していますが、2019年6月、KDDI株式会社との共同開発で「KDDI Location Analyzer」という製品を立ち上げました。KDDI Location Analyzer では、同意を得たスマートフォンからau端末位置情報を取得し、誰の情報であるかわからない形式に加工します。こうして得られたビッグデータをもとに「どこに」「どんな人が」「どれだけ」いるかをブラウザ上で自由に分析できるというものです。

今回から3回に分けて、KDDI Location Analyzer を用いたGPS分析手法について紹介します。今回の第1回では初級編として、KDDI Location Analyzerのあらましと、簡単な分析事例をご紹介します。

■KDDI Location Analyzerとは

KDDI Location Analyzer は、auスマートフォンの位置情報ビッグデータ※1を地図上に可視化し、セルフ分析のできる新しいツールです(図1)。Webアプリケーションのため、PCにソフトウェアをインストールする必要もありません。契約完了後すぐにブラウザから利用できます。

auスマートフォンユーザーの同意のもとで取得した性・年代の情報を紐づけており、属性付きでの分析が可能となっています。また、高精度なGPS位置情報データ(内部的には最短2分間隔、最小10mメッシュ単位)を用いているので、例えば直近の道路単位の通行量や、店舗などの施設来訪者の分析が可能をすることができるというものです(図1)(表1)。

※1 位置情報ビッグデータとは、KDDIがauスマートフォンユーザー同意のもとで取得し、誰の情報であるかわからない形式に加工した位置情報データおよび属性情報 (性別・年齢層)を指します。


もちろん、日本人全員がauのスマートフォンを利用しているわけではありません。このためKDDI Location Analyzerでは全人口推計(拡大推計)に対応しています。実人数に近い人口動態をつかむことができるというわけです。
先述の通り、国勢調査などの公的統計データは更新頻度が低く(国勢調査は5年に1回。2019年10月現在では2015年調査が最新)、また滞在人口の分析もできません。もちろん国勢調査は全数調査であり、日本中を網羅した信頼できるデータですが、一方で弱点があるのも事実でしょう。その弱点を補強・補完できる「オルタナティブ(代替的)」なデータ分析ツール、それがKDDI Location Analyzerなのです。

ではKDDI Location Analyzerではどのような分析ができるのでしょうか。次の章で、最近のイベントを例に人の動きを実際に分析してみました。

■KDDI Location Analyzerを使ったイベント分析

2019年7月27日(土)、東京で第42回隅田川花火大会が開催されました。隅田川花火大会の起源は江戸時代、8代将軍徳川吉宗の時代にまでさかのぼるのだそうです。途中何度かの休止を経て今に至ります。この花火大会を例にして、KDDI Location Analyzerでどのような分析ができるのか見ていきたいと思います。

隅田川花火大会の開催日を指定し、花火打ち上げ会場周辺1kmの滞在人口を取得したのが図2です。125mメッシュという細かい粒度で区分けされており、滞在人口の多い順に赤、黄色、緑という3色の色分けで表示されます。比較のために、前週同曜日の滞在人口マップも取得しました(図3)。


明らかに違いが分かると思います。両日とも、浅草駅前・押上駅前・東京スカイツリーといったエリアはやはり赤く(滞在人口が多く)表示されていますが、それに加えて花火大会当日は、花火打ち上げ会場の隅田川沿いが黄色くなっています。それだけ多くの人が隅田川沿いで花火を楽しんだということでしょう。

もう少し詳しく見て見ましょう。道路ごとの通行量を表示する「主要動線分析」機能で、会場付近の道路通行人数を可視化しました(図4)。


こちらは、花火が打ち上げられた時間帯、2019年7月27日 18時-21時の徒歩通行者客のデータです。隅田川沿いや橋の上など、花火の見やすい場所が赤くなっていることが分かります。特に、メイン会場目の前の道路の通行人数はわずか3時間で7,068人と、相当の人出であったことがうかがえます。

では、どんな人が花火を見に来たのでしょうか。時間帯別・年代別の来訪者の滞在人口を調べることで、その手掛かりが見えてきます。
ここでは、地元以外の地域からの流入の実態を見える化しました。居住者(周辺住民)や勤務者(周辺勤務者)を除いた「来街者※2」 に絞って時間帯別・年代別の花火大会会場周辺の滞在人口を集計したのが以下のグラフです(図5、図6)。


※2 KDDI Location Analyzerでは、GPS位置情報データの提供者ごとに、推定居住地(直近数ヶ月の夜間に最も長時間滞在した場所)や推定勤務地(直近数ヶ月の昼間に最も長時間滞在した場所)という情報を付与しています。ここでは、花火大会会場付近に推定居住地も推定勤務地もない「来街者」の動態を可視化しています

人の動きが全く違っています。平時は昼間の滞在が最も多いのに対して、花火大会当日は、花火の打ち上げ時刻(18:15-20:30)に合わせて、滞在人口がピークに達しています。花火大会が終わると人が一気に引くことも見て取れます。
さらに、年代別の傾向を見て見たいと思います。平時に比べて、花火大会開催時に何倍の人数が来訪したのか、年代ごと・1時間ごとに可視化したのが以下のグラフです(図7)。


20代の来訪が花火打ち上げ前・花火打ち上げ中とも突出しています。隅田川沿いの浅草・向島エリアというと、若者の街というイメージはあまり高くありませんが、これだけの数の若者が押し寄せるとなると、地元としても地域をアピールするチャンスといえます。

■GPS位置情報データから得られるもの

以上、隅田川花火大会をテーマに、様々な観点から当日の様子を見てきました。ここまでリアルな人の動きは、従来型の調査では決して取ることのできなかった情報ではないでしょうか。 こういったグラフを多層的に見ることで、

  • 集客方法
  • 花火大会中の動線確保
  • 花火大会開催前後の交通手段確保・混乱防止

といった課題が見えてきますし、施策の手がかりをつかむこともできるでしょう。
商業施設などでのイベントの効果測定でも同じ手法で分析が可能です。

 

トラディショナルデータからオルタナティブデータへ。
次回も、KDDI Location Analyzerを使った分析事例をご紹介します。

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