2020/12/25(金)

映画「鬼滅の刃」公開前後で、映画館の人出の変化を調査

大ヒット作の劇場公開で、映画館の人出がどう変化したのか KDDI Location Analyzerで性年代別の属性まで読み解く

スマートフォンのGPS位置情報データを活用し、街の人出や人の流れ、属性の傾向をタイムリーに把握できる『KDDI Location Analyzer』。このコラムでは、KDDI Location Analyzerを用いて、大ヒット作「鬼滅の刃」の映画公開前後における主要映画館の人出調査をご紹介します。

【分析条件】

 ・集計方法    :全人口推計値
 ・分析地     :東京都、埼玉県内にある下記7つの映画館
 ・データ収集期間 :2020年10月1日~10月25日                     
 ・時間帯     :9時~23時
 ・滞在者の条件  :指定の分析地に90分以上滞在した20代以上の人のGPS位置情報データを収集期間内で計測

※取得するGPS位置情報データは、 KDDIがauスマートフォンユーザー同意のもとで取得し、誰の情報であるかわからない形式に加工した位置情報データを指します。※取得するGPS位置情報データ(正解データ)および人口等の統計データをもとに、分析地における滞在人口の推計を算出しています。※なお、本分析データには10代は含まれておりません。

■分析地

東京都、埼玉県内にある7つの映画館をピックアップしました。

「TOHOシネマズ日比谷」、「グランドシネマサンシャイン池袋」、「ユナイテッドシネマアクアシティお台場」
「109シネマ二子玉川」、「ユナイテッドシネマ豊洲」、「MOVIXさいたま」、「イオンシネマ浦和美園」

■データ収集について
2020年10月16日(金)からの映画公開前後で分析値(映画館)に滞在した人の傾向がどう変化したかを調べるため、2020年10月1日から10月25日(日)までの期間で、各映画館の日別の滞在者推移と性年代別の属性を集計しました。
※映画館以外の別のフロアで90分以上滞在した人数も集計対象に含まれます。

[Point]KDDI Location Analyzerは、ジオフェンスで分析施設を自由に指定できる
「地点Aから半径00m」といった商圏設定だけでなく、ピンポイントな施設への来訪傾向を分析できます。 対象施設をクリックしながら線でつないでいくだけで、容易に分析地の設定ができます。

ジオフェンス設定画面イメージ

分析結果・考察概要

【日別推移(どれくらい増えている?)】

各映画館において、10月1日から10月25日までの日別来訪者を、前月(9月)の来訪者の日平均で割った数値の推移をグラフ化し、映画公開後にどのくらい増えているのかを分析。

・すべての映画館にて映画公開の16日以降、滞在人数が急増している。
・ベッドタウンに近い映画館(二子玉川、浦和美園)は平日でも高い水準。

映画館別の来訪者の日別推移

【性年代別構成比(どんな人が見ている?)】

映画公開後の2020年10月16日から10月25日までに、各映画館に来た人の属性を集計。各性年代を合計人数で割った構成比を算出し、どんな人が映画を見ているのかを分析。

・性別では女性が多く、年代別では20代が多い傾向にある。
・ベッドタウンの映画館は、子供と一緒に来るケースが多いのか40代が多い傾向。

映画館別の来訪者の性年代別構成比

【前周期比(どんな属性が増えた?)】

映画公開後の10月16日から10月25日までの来訪者属性別人数を、10月2日から11日までの来訪者属性別人数で割ったものを全周期比として算出(いずれも10日間集計)。映画公開前と比較して、どのような属性が増えているのかを検証。

・ほぼすべての属性で増加している。
・子供と一緒に見ているケースが多いのか、40代は平均して2倍に増加。
・20代、30代も増加傾向にある。


映画館別の来訪者の前周期比

分析結果の活用について

本分析は30分程度でライトに分析をしてみましたが、短期間でもこれだけの材料がそろいます。尚、この結果はあくまで「鬼滅の刃」作品全体のファン層の中で、いち早く劇場版を見に映画館へ足を運んだ層についての分析ですが、映画館の広告販促やPR施策を企画する段階でターゲット設定等の一助になるかと思います。また、分析地を映画館ではなく、映画館を中心とした半径200m等で設定すると、映画館の周辺にいる層の属性や、どこからきているかも把握できるため、集客すべきペルソナの設計にも活用できます。

分析データの活用の幅は、アイデア次第で大きく広がります。
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