2024/08/21(水)

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イベントレポート | 神戸市×KDDI セミナー「EBPM実現に向けた人流データ利活用」

自治体の仕事の進め方を根本的に見直し、より効率的、効果的なものに変える、EBPM(Evidence-Based Policy Making: エビデンスに基づく,政策立案)と呼ばれる考え方が注目されています。その場限りのエピソードに頼るのではなく、政策目的を明確化したうえで、合理的根拠(エビデンス)に基づいて政策企画を立案することです。

このたび、EBPMを推進するべく行政データの利活用を進め、実際にKDDI Location Analyzerもご活用いただいている神戸市様にご協力いただき、先駆的な取り組み事例をいくつかご説明いただきました。
今回はそのセミナーの様子を一部紹介いたします。


セミナー概要:
神戸市×KDDI セミナー「EBPM実現に向けた人流データ利活用」
開催日時:2024年7月31日(水)14:30-15:30
形式:Zoomウェビナー


第1部

KDDIグループが推進するデータビジネスやロケーションテックについて、KDDI株式会社 経営戦略本部 データマネジメント部 データソリューションG 事業推進チームリーダー 石橋よりご説明しました。

*セミナーより抜粋

「KDDIは通信事業や人流分析ツールなどの位置情報データ提供というイメージが強いと思いますが、今後はデータ分析のみならず、デジタルマーケティングやプラットフォーム提供といった体制も整えているところです。こちらはほんの一例ですが、自治体さま向けにも多様なデータ分析サービスを提供しています。都市計画や観光領域においても自治体さまに合った適切なご支援をさせていただきます。」

第2部

神戸市様では庁内データ連携基盤を構築してデータを収集し、ダッシュボード作成を内製化して全庁共有を進めるなど、データの扱いに不慣れな職員でも現状分析を簡単に行える環境を整備されています。
さらに、人材育成も重点的に進めてきた神戸市様のEBPMの取組み内容を中心に、最近重要度を増している人流データ分析についても具体例を交えて、神戸市 企画調整局政策課 松尾様よりご説明いただきました。


*セミナーより抜粋①

「振り返ると、『業務の電子化が進めば電子データが増える→データの利活用の重要性が増し、EBPMも推進しやすくなる』という流れになっています。EBPMを進める上でも、この業務の電子化というのは非常に重要だと思っています。」


*セミナーより抜粋②

<KDDI Location Analyzer国内居住者版を活用した事例>
「賑わいの推移についても可視化して庁内で共有しています。特にコロナ前後の変化をよく見ています。
三宮北側繁華街や三宮センター街(商店街)がどういう状況なのか。神戸市だけではなく、近隣の大阪や京都の繁華街、商店街エリアのデータは実際にどうなのかを比較でき、全国各地のデータも見ることができるので、便利に使っています。分析の結果、繁華街、センター街ともにコロナ前の水準には戻っていない、緩やかに回復しつつある、また近隣都市についてもまだ戻っていない、ということが分かっています。」


*セミナーより抜粋③

<KDDI Location Analyzer訪日外国人版を活用した事例>
「市内観光地のインバウンドの人流を可視化したグラフです。国籍別にみると姫路城は欧米の方が多いのですが、北野坂観光エリア(異人館があるところです)は、逆に欧米の方は少ないことがよくわかります。
ー 中略 ー
我々がデータを活用する際には『データを集める、それからツールを使って分析して、報告資料にまとめる』という流れになります。KDDI Location Analyzerはこの『データを集める→分析する』ツールとして、今かなり活用頻度が上がっているところです。」


最後に、データ利活用推進のポイントをまとめていただき、どの自治体さまでも直面すると思われる課題について詳しくご説明いただきました。

第3部

神戸市様の取り組みについて理解を深めていただいた後、Q&Aセッションへ移りました。様々な観点でのご質問が活発に寄せられました。一部ピックアップしてご紹介いたします。

Q1:EBPMを推進する上で、データ利活用における課題はありますでしょうか。

A1: 全庁で方針を徹底して進めてきたというわけではなく、例えば、データを出す/出さないということについても、担当者が変わると方針が変わったりする、というところもまだあります。課題としては、全庁のコンセンサスを取っていく必要があると、今一番感じているところです。

Q2:EBPM推進する上で、”人流データ”の果たす役割について教えてください。

A2:まず人が来ているか来ていないかもそうですし、どんなところから人が来ているのか、というのを簡単に分析できるというところが、EBPMを進める上で非常に役立っていて、便利だなと感じています。本当にすぐ調べられるので。工夫次第でいろんな使い方ができますし、そういうデータツールって他にはないので重要だなと思っています。


セミナーご参加いただいた方からのお声

  • 自治体における人流データ利活用の事例を聞く機会が少ないと感じていたので、本日このような機会があり、自治体の動向を知ることができ、非常に有益でした。

  • 神戸市さんでの活用の仕方やKDDI Location Analyzerだけでなく他のツールも活用しながらEBPMを実践されていることも学ぶことができ大変有意義であり、私が所属する観光分野の他の職員にも広めたいと思いました。また、神戸市さんの全庁的な動きは本市のEBPMの徹底にも役立ちそうなので折りを見て共有したいと思います。

  • 実践的で他の自治体や企業への展開が期待できる内容でした。

  • ここまで課題感から逆算して必要なツールやデータの選択、活用を行われ、かつ組織を横断して定着されている自治体さんがおられる事に驚愕しました。ぜひ一度直接お話を伺ってみたいなと思う内容でした。

セミナーにご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。


今後も皆さまの課題解決のヒントにつながるセミナーを開催していきたいと考えています。
「こんなテーマでセミナーを開催してほしい」「KDDI Location Analyzerのこんな活用事例を知りたい」など、ご意見やご要望がございましたら、ぜひお気軽に下記お問い合わせフォームからご連絡ください!