― KLAは、現在どのような業務にご活用ですか。
洞口様:
私は関西支社で、主に商業用の施設に関する不動産コンサルティングのマーケットレポートを担当していますが、KLAは、商業エリアの分析等に活用しています。
一例でいうと、KLAの通行人口のデータと当社の持っている不動産の賃料データを組み合わせ、店舗の賃料とその店舗付近の歩行者量の相関をグラフにすることで、「一人当たり賃料対KLA通行量ランキング」(下記にグラフを掲載)を作成しました。このように、物件のデータに人流データを加えることで、お客様に分かりやすい形で物件のポテンシャルを可視化できるようになります。
もちろん、人流データの集計結果だけを見て、各エリアや施設のシンプルな競争力を把握することもありますが、最近の事例だと、ハフモデルにてシミュレーションした集客力と、KLAの来訪者居住地分析で見た実際の集客エリアとを比較して、その予実から集客のポテンシャル測るといった活用もしています。
バリュエーション・アドバイザリー&コンサルティング・サービス本部 関西
アソシエイトディレクター 洞口 侑士 様
松本様:
今まで、こいうった人流データがなかった頃は、“この道路は、人通りが多い”というのを、なんとなくの経験則や数年前に取られた行政のデータ等で推し測っていました。
なかなか容易かつタイムリーに通行量を測る術がなく、今までは、お客様から依頼が入ると、数日か数週間か、アウトソースでその時の人通りを目視でカウントしていくこともありましたが、その時々の地点での把握となり、データの蓄積や時点比較ができないのが課題でした。また、少しでも地点がずれると、データが使えなくなり、説明もしづらくなります。
特にコロナ禍により、人通りが少なくなったのか多くなったのか、減少したのであればどの程度減少したのか、KLAのようなツールがあると、一定の条件で様々な地点を計測できますし、それらのデータを蓄積できるのは非常に画期的。2年以上遡って比較できるのも便利です。
KLA導入後は、人通りを数字で把握でき、かつ平日と祝休日別や、時間帯別での分析もできるため、お客様によりご納得いただける分析になっていると思います。KLAは、その位置情報データが勤務者か、来街者か、居住者かも分かるようになっていますが、オフィス街を見るときに通勤している人が多いのか、来街者が多いのかも把握でき、役立っています。

(左)KLAで測定した歩行者数とCBRE様が保有する路面店舗賃料データの相関性を分析し、関西主要エリアでコストパフォーマンスの高い店舗立地を可視化したグラフ(洞口様 作成)
(右上)KLA分析画面(来訪者居住地分析)、(右下)KLA分析画面(単点分析ダッシュボード)※右の画面イメージは、CBRE様の実際の分析画面ではありません。