イベント等の販促計画策定に人流分析データを活用
導入前の課題と経緯について
田中様:
「東京ドームシティ」には多種多様な施設がある中、これまで施設ごとの入場券やPOSデータなどを元に大部分の来場者数は確認できていました。ただ、入場券を不要とする「東京ドームシティ」敷地内の来街者を含めた数値に関しては、ゲートがない性質上、正確な人数の算出が難しいことが課題としてありました。
また、来街者の施設間の併利用に関しては、これまでお客様へのアンケートやインタビューなどの調査を元に算出していましたが、より精度の高い集計方法が求められていました。
そんな中、2022年に「データブートキャンプ」というデータ活用推進プログラムを実施したのに伴い、「東京ドームシティ」においても来街者分析を実施することになったんです。そこで、さまざまな人流データ分析ツールを探し、比較している中でKLAの存在を知りました。
採用の決め手について
田中様:
他社ツールとの比較検討を行う中で、「東京ドームシティ」の各エリアに対して、ジオフェンスを細かく設定できることに加え、詳細なユーザー属性をキャッチアップできるなど弊社の分析にマッチした多彩な機能を有している点、訪日外国人分析が実施できる点など、弊社の課題感にコミットした機能が多かったことが導入の決め手となりました。
例えば、各施設がイベントなどを実施した際、販促の効果検証を行うには、お客様の属性や居住地などを切り口に分析するのが理想的ですが、そういった情報を入手するのは困難でした。ところが、KLAならば全て網羅されている。弊社が求めるデータを手軽に入手できる利便性の高さも魅力に感じました。また、訪日外国人の集計機能も含まれていたことも採用の決め手となっています。
購買データに人流データを付加した効果検証を行い テナント店舗に情報をフィードバック

具体的な活用方法を教えてください
田中様:
来場されるお客様情報の理解を深掘りするために、KLAを活用しています。例えば、来場者数に多大な影響を与える「東京ドーム」でのイベント開催の有無と、来場者の性別・年代・居住地といった属性情報を掛け合わせることで「どのようなイベント開催時に、どのような客層が来場するのか」という傾向を把握することで、次回の施策のチューニングがしやすくなるのですが、来街者像の把握において、これまでの保有データでは、感覚値に頼る部分が大きかったのです。
しかしKLAを活用することで、人流データに基づく詳細なお客様情報の把握が可能になり、購買データに加え、この人流観点から得た示唆を追加したうえで各種施策の効果検証が行えるようになりました。その分析結果をテナント店舗様にフィードバックし、主に販促計画策定時の意思決定に活用していただくための顧客データとして提供しています。
導入の成果は
田中様:
繰り返しになりますが、KLAの活用によって、人流分析データに基づいたさまざまな切り口で詳細な傾向をより把握できるようになったことで、来街者や施設利用者の解像度が高まりました。それにより、これまでは主に購買のカウントでしか集計できなかった情報に、KLAで得た人流分析データが加わり、「どういう人たちが来ていたのか」を掛け合わせることで、テナント店舗様に対して、より納得度の高いフィードバックを実現できるようになりました。

【今後の活用について】
田中様:
今は来街者や施設利用者の解像度を高めることを主目的にKLAを活用している段階で、まだ次の展開は決まっておりません。
ただ、今後のKLAに期待する部分としては、施設を併利用されるお客様の行動の前後の関係性といった時系列で把握できるような機能があると良いなと思っています。
現状、A施設とB施設のどちらも利用された方が何人いたかという数字は算出できるのですが、例えば移動の前後で食事をしたというデータが取れれば、販促イベントの企画を考案する際に他エリアの併利用とも兼ねたプラスアルファでアップセルを狙った施策を打てたりもしますので、施設の併利用の前後関係を仮説ベースで出すのではなく、データエビデンスをベースに提案することで、販促設計の説得力が高まるのではないかと思っています。