数年単位で実施される公的統計データの曖昧さを排除しリアルな人流と属性の分析に活用
導入前の課題と導入の経緯について
清藤様:
これまで新規出店に際しては、開発担当者が現地に足を運び、店舗周辺の人流や交通量を調査するのに加え、国勢調査や住基ネットなどの公的統計データを組み合わせて分析することで、出店の可否を判断していました。国勢調査が実施されるのは5年に一回と更新頻度は高くないものの、それほど大きな変動がないため、以前までは情報として問題ありませんでした。ところがコロナ禍を経て、人の流れや生活様式が大きく変わってしまったことで、従来の調査方法で得られる情報では不十分と感じるようになりました。
また、従来の調査は開発担当者のマンパワーに頼るところが大きく、日数もかかるなど、いま思えば決して効率的なものではありませんでした。
KLAは、これらの課題を解消し、私たちが必要とする情報を得られるツールだと判断し、導入を決定しました。

採用の決め手について
清藤様:
採用の決め手にもなり、実際に活用している機能は3つあります。まず1つ目が、柔軟な期間設定です。KLAでは、2018年1月1日から操作を行う3日前までの情報を最長1年単位で自由に設定し、詳細な分析が可能な点が魅力でした。それにより、コロナ禍前後の状況や対象エリアの人流がどう変化したのかを調査できるなど、さまざまな視点での分析が可能となりました。私が所属する開発統括部は新規出店をサポートしていく部隊になりますので、店舗のオープン前後で人流がどう変化したかを把握する必要があるのですが、その観点からも自由な期間設定機能は大きなポイントでした。
2つ目は、来訪者分析の機能です。お客さまが、どこから調査対象の店舗に来訪されているのか、属性も含めて調べられることも重要なポイントでした。他社の類似サービスでも人流データを調べることはできますが、どの地域から来訪されているかを把握できるのはKLAだけでした。また、自社の店舗だけではなく、地域にある競合他社の店舗の人流を調査することで、新たな視点での商圏の特徴把握が可能となりました。
3つ目が、動線分析の機能です。人流を「線」とするならば、私たちはその人たちの属性や出発地点などのデータを「面」と表現しています。特定エリア内を何人が歩いているかなどの人流だけではなく、近隣の居住者なのか、来街者なのかといった人の流れを量とユーザー属性の両方で示すことができるため、効果的な動線の特徴把握が可能となっています。

KLAの活用方法をマニュアル化し、全国のエリア担当者に対して操作研修を実施
実際にKLAを操作し、活用されているのは?
清藤様:
私たちも新規出店をサポートするためにKLAを活用していますが、今回の導入において、全国の各エリア担当者でも活用することにしました。それにあたり、業務の流れに沿った活用方法をマニュアル化した資料をベースに、導入前に東京の本社にて研修を実施し、約40名が参加しました。研修では「出店後の商圏変化」など、実際にKLAを操作しながら進めていきました。
研修に参加された方々からはどのような質問がありましたか?
清藤様:
質問はたくさんありましたが、前向きな質問がとても多かったと記憶しています。また、実際にKLAの活用が始まってからは、「使ってみると、こういう点で業務に活用できた」という気づきの報告も届いています。その報告を全国のエリア担当者に共有し、知見を広げていくための活動も月一回実施しているところです。
導入の成果は?
清藤様:
新規出店に向けた業務の効率化といった部分では成果が表れていると思っています。例えば、これまでは開発担当者が現地に出向き何日もかけて調査していたことを、あらかじめKLAで確認したうえで現地に行くことにより、稼働日数は間違いなく短縮できています。
また、KLAを活用することで、調査した情報がビジュアル化されますので、効果的かつ分かりやすい情報として関係者にターゲット層を示すことができるようになりました。
それが現状での導入の成果だと感じています。
今後の活用について
清藤様:
KLAを活用することで、自社のみならず他社やほかの業界についても調べることができます。例えば、スーパーマーケットの業態にはどんな特徴があるのか、あるいは大型の商業施設やホテルの特徴、来訪者数などを分析することで、弊社の事業に生かせるヒントが見つかるかもしれません。そのような調査・分析にもKLAを活用していき、お客さまの暮らしがより便利になり、喜ばれるお店を増やしていければと考えています。