• KDDI Location Analyzer

地域活性事業をはじめとする企画立案から
イベント実施後の効果検証まで幅広く人流データを活用

  • 多摩市役所 市民経済部 経済観光課 商工観光担当
    武井 淳 様

    多摩市役所 市民経済部 経済観光課 商工観光担当
    満井 航平 様

  • 会社

    多摩市役所

  • 業種

    官公庁・地方自治体

  • 関連サービス

    • KDDI Location Analyzer

多摩市様の市民経済部経済観光課の業務は、市内の産業・商業・観光と多岐にわたります。同課では、課の事業評価を目的として、「KDDI Location Analyzer」(以下、KLA)導入し、その後は組織内部・外部団体との会議の報告資料作成などにも活用しています。組織内では、経済観光課のほか窓口サービスの部署からまちづくりの部署まで、人の流れの現状分析に幅広く活用されています。その活用の幅は、市域内にとどまらず、自治体間の広域観光連携事業など企画や事業評価へ広がっています。
今回は、KLA導入に至った経緯や、活用方法などについて、経済観光課 商工観光担当の武井淳様、満井航平様にお話を伺いました。

  • 課題

    • イベントなどの来訪者数の把握は、アンケート調査や主催者発表による情報が中心だったため、比較可能な数字を取得できなかった
    • 公共空間の利活用に関する安全性などの形式知化する必要があった
    • 総合計画や、戦略の指標の見直しにあたり、滞在人口を既存データに比べより細かく分析する必要があった
  • 成果

    • 新規事業の提案資料や報告書に比較可能で粒度の細かいデータを盛り込めることで、最適な施策の提案や効果検証が可能になった
    • 全庁的な取り組みが進んだことで、導入前と比較して業務改善への意識が高まり、組織活性化につながった
    • 官民の異なる主体間での合意形成に役立った

市内人流の分析にKLAを導入         属性情報などの詳細データを取得できる機能性や汎用性の高さが魅力

導入前の課題と経緯について

武井様:
2021年12月に、新型コロナウイルス感染症対策として、au PAYを利用したキャッシュレス還元事業を実施しました。スマートフォンを活用した還元事業の事業評価として、特にデジタルを活用した還元事業に抵抗感があった高齢者層のキャッシュレス還元事業の参加傾向を分析するために、KDDI法人営業担当者からご紹介いただいたのがKLAでした。キャッシュレス還元事業へ参加した高齢者の動向など、イベント参加者の傾向を調査するための活用から、事業期間の前後を含めた参加者の行動変容を把握し、各部署が所管する事業とサービス利用者との接点を探るためのツールとして、全庁的な活用を視野に本格的な導入を進めました。

採用の決め手について

満井様:
私は以前、地域活性事業などの計画を統括する企画課に所属していたのですが、当時総合計画や総合戦略の策定にあたって人流を調査する際に、別のツールを使って滞留人口の動きを測定していました。ただ、1年間にこのエリアにどれだけの人が滞留したか、というような大まかなデータしか取れず、指標としての課題がありました。その点、KLAは数年前のこの日といったピンポイントな情報に加え、歩行者の属性情報など詳細なデータを取得できる機能性もあり、なおかつ汎用性の高さも魅力でした。

想定外の来訪者実態も明らかに

具体的な活用方法を教えてください

満井様:
・駅広告の効果測定やイベント来場者のピークタイムを把握
比較的最近の活用事例では、2025年6月に京王線永山駅周辺の公園などを会場に実施された子育て世帯向けイベント「たまこどもフェス」の効果検証にKLAを活用しました。ここでは、イベント来場者の性別・年代・居住地の属性を把握し、訪れる人々の傾向や特徴を分析することが活用の目的でした。結果として、KLAの分析データと来場者アンケートをかけあわせることで、来場者全体のデータの推計が可能になりました。駅広告の効果測定やイベント来場者のピークタイムを把握できましたので、この結果を次回のイベント計画に役立てようと検討しています。

・窓口業務の繫忙期の推計による職員体制の見直し(DX推進)
また、2025年7月には多摩市立中央図書館の来訪者数や属性、居住地の把握にKLAを活用しました。どの曜日に、どんな属性の方が来館しているかを分析したうえで、館内で開催されるイベントの開催日時を決める材料にしたり、職員やボランティアスタッフの出勤日の検討に役立てたりしています。図書館が把握しているデータとKLAを掛け合わせることで、これまで暗黙知だったものを組織内で共有可能なナレッジにすることができています。このように、庁内だけでなく市が所有する公共施設での活用も同時に進んでいる状況です。

武井様:
・まちのリニューアル前後での人の動きを把握(長期的な分析)
多摩市では、聖蹟桜ヶ丘駅と永山駅(いずれも京王線)、多摩センター駅(京王線・小田急線)を拠点地区に指定し、それらのエリアで複数の活性化事業を展開しています。その一つとして、多摩センター駅からほど近い好立地に位置しながら、約11万㎡もの面積を持つ「多摩中央公園」の改修工事を実施し、2025年4月にグランドオープンしました。それまでは高齢者の利用が多い公園でしたが、リニューアルによってカフェや子ども向けの遊具などが新たに設置されたことで、人流がどう変化するかという分析にKLAを活用しました。新たに若い世代の利用者を増やすことを目的としたイベントを実施したところ、事前の仮説どおり、若者の利用者が増加し、園内の市文化財施設「旧富澤家住宅」にも若い世代が滞在していることが分析結果からわかりました。このように客観的に事業評価を確認できたことは、KLAを活用したメリットだと感じています。この分析結果は、公園の今後の事業運営の参考にもなると考えています。

・KLAが公共空間の新たな活用の鍵に
多摩センターでは、40年以上前に設計された公共空間を中心としたまちの仕様をこれからのつかい手の視点に立ち変えていく”まちづかい”を起点とした”まちづくり”の理念のもと、その担い手となり、まちの活性化を目指す事業者などを経済観光課としてサポートしています。活性化イベントの実施にあたって、官民の合意形成にKLAが大いに貢献してくれました。

多摩センターパルテノン大通りは、自転車や歩行者が行き交う通行量の多い自転車歩行者専用道路です。地元活性団体がバスケットボールの大会を大通りで開催するにあたり、経済観光課と地元活性団体と共同でKLAの滞在者分析を実施し、歩行者の通行量と通行者のピークタイムをKLAで可視化することでイベント当日の安全対策の計画を立てました。このことで道路管理者との調整が円滑になり、自転車歩行者専用道路での初の球技イベントが実現できました。なお、当イベントは2026年も継続して実施しています。

公共空間の利活用など、官民共通の課題解決にあたり、安全性を人流データで可視化することで官民の異なる主体間の合意形成にKLAを役立てた好事例でした。行政と民間が協働で事業を推進するシーンなどで今後も活用が広がると思っています。

今後の活用について

満井様:
観光施策として、多摩市単体ではなく狛江市、相模原市との広域連携で小田急沿線の自治体に新しい人流を回遊させるようなイベントを構想しています。3市がそれぞれどのような指標を持つべきなのか、どんな属性をターゲットにするのか、といったコミュニケーションにおいては、KLAによる分析が重要なカギになると考えています。人流データの分析に関してはKLAをはじめとするさまざまな情報をクロスアップしながら、より効果的なイベント施策の実施に役立てたいと考えています。

(取材:2026年2月)​

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  • 業種

    官公庁・地方自治体

  • 関連サービス

    • KDDI Location Analyzer

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