変化の激しいエリアでも ブレなく客観的に街の現状を把握し 売上予測の精度を高めるために。

  • 丸亀製麺やコナズ珈琲などを主なブランドとする飲食業の経営管理を行うトリドールホールディングス様では、出店戦略の構築や、店舗の売上予測等にGPS位置情報データを搭載したGIS(地図情報システム)「KDDI Location Analyzer」を活用なさっています。今回、システム導入の経緯や導入後の感想などを中心にお話を伺いました。

  • 会社

    株式会社トリドールホールディングス

  • 業種

    小売・飲食・サービス

  • 関連サービス

    • KLA 国内居住者版

  • 課題

    • 公的な統計データだけでは、特に変化に富むような街では
      実態と乖離が出て売上予測の精度に響いていた。
  • 成果

    • 売上予測の精度が向上した。
      今後、物件開発を進めるにあたり大いに活用できる。

その地域の居住人口やオフィス街の従業人口ではない 街に遊びにくるような層のボリュームが GPS位置情報データなら把握できる。

導入の経緯について

KDDI Location Analyzerを導入した理由は、「売上予測の精度向上」と「公的統計データよりも実態に合った、粒度が細かく、鮮度の高いデータの活用」です。

なかでも売上予測がメインとなりますが、その精度を上げ誤差を解消することが課題の一つでした。誤差が出る要因を探ると、対象エリアに流れてくる人たちを細かく把握しきれていないことが分かりました。商業統計などでカバーしていたものの、徐々に実態と乖離が起きていたこともあったので、より粒度が細かく、鮮度の高いデータが必要でした。これがKDDI Location Analyzer導入のきっかけです。

商業統計のような統計データはその鮮度がネック。また実際に自分たちで検証してみると合ってないこともありました。ただ商業統計自体は売上と相関性が高く、無ければ精度が変わってしまうため、代替となるより粒度や鮮度の高いデータを探していました。

採用の決め手は?

決め手は複数ありますが、データのサンプル数、粒度、コストパフォーマンス、あとはサポート面です。特に、125mメッシュという粒度の細かさには満足しています。

このデータが必要になるのは、主に商業性の高い立地。そもそもお店の商圏が500m以下ということもあるため、一般的なGISで使われている500mメッシュではカバーできません。その点、KDDI Location Analyzerだと問題なく分析でき、実際に活用できています。

先ほど売上予測の誤差の要因でも挙げましたが、今までは把握が難しかった、足元人口でも昼間人口でもない、浮いている人たち(例えるならば、ちょっと遊びに来たような)人たちのボリューム。これを分析できるGPS位置情報データは欠かせない要素です。他にも位置情報を分析できるシステムはありましたが、都度提供元に依頼をして、レポート毎にコストがかかり、費用対効果の面でマッチしませんでした。

KDDI Location Analyzerは、定額で使い放題。いつでも何度でも分析できるのが魅力です。また運用サポートのレベル等も総合的に判断して、当社の使い方に一番合っているということで導入に至りました。

売上予測の精度は期待どおり向上している。 エリアによっては、重要な出店の判断基準に。

導入後の成果は?

売上予測の精度は確実に向上しており、特に商業性の強いビルイン物件等に関しては出店判断を左右することもあります。

KDDI Location Analyzerは、主に各業態の出店戦略構築と売上予測モデルの説明変数として活用していますが、このツールで収集した出店エリアの滞在人口データ等を、特に加工せずそのまま使っています。

ショッピングセンター物件などの調査は今までは施設の年商データに頼っていましたが、KDDI Location Analyzer導入後は、対象となる施設にジオフェンスを設置することで、すぐにその施設の客数の推測が可能に。予測モデルの精緻化につながっていると思います。

KDDI Location Analyzer分析画面(イメージ) ある程度出店実績のあるロードサイドであれば、既存店も多くデータも豊富なので読みがズレることは少ないですが、都心のビルイン物件などは当社としてもサンプルがまだ多くないため、KDDI Location Analyzerで現地の最新の状況を把握できることは大いに役立っています。

特に、コロナ禍のような経験則が通用しない状況下では 街の変化をタイムリーに把握できるデータが頼りになる。

商業系の公的データよりも滞在人口のほうが売上との相関性が高い理由は、「説明変数としての強さ」と「鮮度の高さ」。公的データは数年待たないと入手できず、一方滞在人口(位置情報データ)は常に変化している街の状況をタイムリーに捉えられます。社内に説明する際に「10年前のデータ」と「直近のデータ」では信用度が異なり、経営陣にも評判がよいです。

特に、昨今のコロナ禍のように、誰も想像し得なかったことがあったときに、すぐに今を測れて、定点チェックもできるというのは心強いのではないでしょうか。実際に、定点観測で人出の推移を追うような使い方もしています。コロナ禍の第一波から直近までの人の流れを把握できるので、出店の判断がかつてより根拠をもってスピーディにできていますね。

【今後の活用について】

現状の活用で充分に成果は感じていますが、引き続きレポート機能の充実(web上でのカスタマイズ等)などの機能追加は期待したいと思います。

現地での調査も重要ですが、事前の分析の精度と効率が劇的に向上していますね。例えば、Google Mapをベースにしているのでストリートビューもありますし、KDDI Location Analyzerと連携している技研商事インターナショナルのGIS「MarketAnalyzer」で公的な統計データも把握できる。滞在人口もKDDI Location Analyzerで見えて、通行人口も把握できるようになる。そうすると物件がでてきた時点で、現地にいって全部確認しなくても机上である程度の精査ができてしまいます。

もちろん現場確認は重要でゼロになることは決してありませんが、より客観的なデータ(視点)で事前精査できれば、リソース投下の無駄もカットでき最適な配分ができるようになる。作業効率や生産性を高めるのに有効な“誰が見ても客観的に精査できるシステム”をつくるベースとして、KDDI Location Analyzerは重要なポイントであると考えています。

(取材月:2020年10月)

  • 会社

    株式会社トリドールホールディングス

  • 業種

    小売・飲食・サービス

  • 関連サービス

    • KLA 国内居住者版